思考の整理学 :外山 滋比古

■思考の整理学 (ちくま文庫) [文庫] 外山 滋比古
 価格:¥ 546
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4480020470/

■内容(「BOOK」データベースより)
 アイディアが軽やかに離陸し、思考がのびのびと大空を駆けるには?自らの体験に則し、
 独自の思考のエッセンスを明快に開陳する、恰好の入門書。

■目次
グライダー
・学校はグライダー人間の訓練所、エンジンは付いていない、滑空もまた美しい
・言われた通りは得意だが、自分で考えては苦手
・プロ棋士たちの間では中学までの義務教育が邪魔
不幸な逆説
・熱心な学習者、教えないことが学習意欲を高める
ギリシャ人の文化、優れた問題作成能力「なぜ」を問う力
朝飯前
・朝の食事をとる前、簡単でもないことがすっとできてしまう時間帯

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醗酵
・感心、違和感、わからない、繰り返して精度を高める
・人や内容によって発酵時間は異なる「向こうからやってくる」
寝させる
・三上:欧陽脩(馬上、枕上、厠上)
・見つめる鍋は煮えない
・努力すれば何でもできるというのは思いあがり、時間が必要
カクテル
・テーマは1つでは★多すぎる、少なくとも2,3でスタート
・人を酔わせつつ独断に陥らない手堅さが必要(すべて認めてかつ調和させる)
エディターシップ
・編集者はいかにまとめるか、誰に何を書かせるか
源氏物語デカメロン…メタ・創造
・詩とは、最もよき語を最もよき順序で置いた
触媒
・化学反応の前後で全く変化・増減しない
・観の目による発見、心をゆったり自由に無心に
アナロジー
セレンディピティ
・潜水艦の探知機から、いるかの交信(ことば)が見つかった
・セイロンの3王子、セレンディピティ=セイロン性

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情報の“メタ”化
・1次情報の抽象化=メタ化(人為的な抽象化)
スクラップ
・すぐ切り取る、マークする、見出しを付ける、定期的に整理する
カード・ノート
・出典、ページ数
つんどく法
・集中的にまとめ読み、一気に片付ける=博覧強記
手帖とノート/メタ・ノート
・持ち歩く→昇華させる

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整理
・頭が良い=知識が多い、創造的人間−コンピュータ
・価値観に基づいて忘れる、好奇心や衝撃は忘れない、しっかりとした価値観の必要性
忘却のさまざま
・他のことをする、時間割、結果繰り返しにより結晶化される
・逍遥する:そこここをぶらぶらと歩くこと
時の試錬
・新しいものはまだ本来のものではない(生木、文学)
・自然忘却を自己内で収斂させて結晶化を早めることができる?
すてる
・収穫逓減:生産性は一定レベルで止まる、初心忘るべからず
とにかく書いてみる
・欲を出すと逆効果
・書いてみると思わぬ宝に出会うときがある、とにかく仕上げる
テーマと題名
・長く説明が必要なことは結晶化されていない(未整理状態)
・論文製作:テーマはシングルセンテンスで
ホメテヤラネバ
・褒めてくれた人は浮かんでくる
ピグマリオン効果…期待によって学習者の成績が向上する

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しゃべる
・声に出してみると違った効果、脳の働きが発生する
・未成熟状態でケチをつけられると、結晶化が極端に鈍化する・取り返しがつかない
談笑の間・垣根を越えて
・★同じ専門家同士では批判的になる、ロータリー方式(異文化のシナジー効果
三上・三中
・三多:看多(多く本を読む)、サ多(多く文を作る)、商量多(工夫し推敲する)
知恵
・誕生日後に死亡率が上がる、生きがい
ことわざの世界
・モウはマダなり、マダはモウなり

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第一次的表現
・現実−TVの世界−ネット(N次的世界)
・仕事をしつつ、普通の行動で考えたことを整理して離する(飛行機型人間)
既知・未知
・既知(守)・未知(破)・新世界(離)
拡散と収斂
コンピューター
・創造的、独創的に変化洞察してこその人間

あとがき
・日本人の「I think」は、「It seems to me」のように、
 自然とただよえる感がある、そこから純化させると「think」となり
 そうならないものは泡沫に帰す

以上