グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた  辻野晃一郎

■グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた [単行本] 辻野晃一郎 (著)
 価格: ¥ 1,575
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4103288213/

■内容紹介
ウォークマンは、負けるべくしてiPodに負けたのだ。
VAIOスゴ録ソニーが誇る大ヒット商品を次々生み出し、途方もない赤字部署をあっという間に立て直した天才は、何故、愛してやまないソニーを去る決心をしたのか。
その後、世界を席巻するグーグルの日本法人社長を務めた著者が振り返る、ソニーでの二二年間とグーグルでの三年間。
興奮と共感のビジネス戦記。

[本文より]

「なぜソニーはアップルを超えられないのか?」「どうして日本からグーグルのような会社が生まれないのか?」といった類の質問を私自身も幾度となく受けて来た。「冗談じゃない、日本が生んだソニーはアップルやグーグルの手本となる企業でさえあったんだ」というのが私の本音である。(中略)
本書のタイトル「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」は、グーグル全盛の今日にはまさに逆説的だ。しかし日本人が創業した世界企業であるソニーは、本当はそのくらい凄かった。そして私は、そのソニーで、反面教師的なことも含めて実に多くのことを学んだ。それらの学びがあったからこそ、グーグルの急成長の理由を理解し、そこで密度の濃い時を過ごすことができたと思う。
(「プロローグ」より)
内容(「BOOK」データベースより)
VAIOスゴ録。大ヒット商品を次々生み出した男は、なぜ愛してやまないソニーを去ったのか―。その後、グーグルの日本法人社長を務めた著者が振り返るソニーでの22年間とグーグルでの3年間。興奮と共感のビジネス戦記。

■目次

プロローグ
SonyAppleを超えられないか…冗談じゃないSonyAppleGoogleの手本だった
・日本人はバッファローの群れ、2割が変われば一気に変わる:2割8割の法則
第一章 さらばソニー
・2010/08純粋に音楽だけを楽しむ、上っ面の報道…HW・SWの生態系で購入される
第二章 グーグルに出会う
Sony退職マニュアル:健康保険任意継続、年金切換、失業保険…毎月申請必要
・会社都合の場合330日最長もらえるらしい
・22年間8時間で、43300時間、実30000時間、フリーだと最大7年で賄える(休みない)
屋久島の雰囲気、片道4時間、樹齢1000年〜7000年
・GoogleAdsense、Blogger
ムーアの法則インテル、オラクル、ポータルのヤフー、アップル、検索エンジンのグーグル
・トライアウトに際して、まず地頭、道の課題に関して答えを導き出す能力
 これまでの職務履歴と社会貢献、リーダーシップ、牽引力
 楽しい人、高飛車でない人、コミュニケーション能力の高い人
第三章 ソニーからキャリアを始めた理由
ソニーはエンジニアの目つきが異なっていた、世界一、世界を変えていく
・設立趣意書:真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむ自由闊達にて愉快なるりそう工場の建設
 不当な儲け主義を排す、いたずらに規模の大を問わない、実力本位、人格主義
・双方向の「さん」付けコミュニケーションスタイル
・Msビルゲイツが来日時に、大賀社長の際、盛田さんが会議に顔を出し強烈なカリスマ感
アップルストアソニーストアの勢いの違いに愕然
・ユニタリータックス:総合的な会社のもうけで課税するというもの(恐ろしい)
・ホームビデオの普及に際して(盛田さん)
 放送の延長にすぎない/電波は公衆の資産 … 最高裁で5-4で勝訴(きわどい)
第四章 アメリカ留学
・1年間の社内留学制度:カルテック(カリフォルニア工科大学)
・米では沈黙は無能、わからないことは即座に解決、わかったことはすぐ共有
・対等なコミュニケーション、日本を、自身を見つめ直す、
第五章 VAIO創業
ソニーお家芸:薄く、軽く、バッテリー
・ディスプレイ社内調達を切る、障害を解決
・やめろと言われてやめるならやるな、★アイデアだけ出してもダメ
第六章 コクーンスゴ録のチャレンジ
・First100Days(最初の100日が肝心)
Googleでもやれと言われただけのことはやるなそれなら海兵隊にでも行け
・開かれた心と固い決意、創造性に富む思考力
・スピードの重視、完璧主義からの脱却、パワーシフト(新興国)、
・ネットにつながることにより修復できる、メンテナンスできる商品
・おまかせ・まる録、広告主にとっても24時間をプライムタイムにする、「ポータル:とるみるクラブ」
パナソニック「シカクからマルへ:DVD・HDD録画機」
・シンギスカン=ラム(DVD-RAM)を食う
・決めた事を守る決意、協力し合う
今そこにある危機(優良企業ゆえの落とし穴)
・有言実行、約束達成、プロ意識
第七章 ウォークマンiPodに負けた日
・今:ウィークマンから何を思い浮かべるか…がワクワクしないといけない
・2003年ソニーショック、2005年6月出井、安藤氏一斉退陣
・iPodNanoを見た瞬間に敗北を悟った
第八章 グーグルの何が凄いのか
・オフラインからオンライン時代のモノづくり:あたりまえに存在した
・とにかく早く6割Go!
・世界中の情報を整理してアクセスでき使えるようにすること
・グーグル10の真実↓
・インターネットの健全な発展
・素晴らしいものを作り上げたときそこからがスタート、ユーザへ新たな世界への入り口を提供
ソニー:64年、グーグル12年(ドッグイヤーで×7)
・広告収入を基盤に全てのエネルギーを注入する、20%ルールあまりにも多忙すぎると硬直化する(目的を忘れる)
・自分より優秀な人材を採用する、レポートは3時間-30分(真剣勝負)
第九章 クラウド時代のワークスタイル
クラウドのメリット
 ○オープンスタンダード常時、ITコストをカット、メンテカット、セキュリティ対策、共有化
 ×心理的抵抗、機密漏洩、ネットワーク不通時の不安
・データの細分化、セル化を行い、フォールトトレラント(冗長)化されている
・SunのCTO、世界のコンピュータは5つでよい(Google、Ms、Yahoo、Amazon、Ebay、SalesForce
クラウドの情報をいかに有効に使えるかがポイント(UI、デザイン、消費電力)…「雲を覗く窓」の役割
・オンラインである限りどこでも仕事ができるので追われる感がある(ストレス)
・どんなに忙しくても切り替えが早く、ノリが良く、楽しめることが必要
第十章 グーグルでの日々
・2バイト件ではグーグルは2010/72番手だった
・変革と挑戦、団結、説明責任、約束、貢献、意欲
・広告:検索連動型(リスティング)、for Search・Contents・Video・Mobile など多岐にわたる
・今この瞬間のメンバーで短期間に成果を出す
・2010/4退社、社長職が廃止:3年間…あまりの激務に定期を3カ月単位でしか買わなかった:笑
第十一章 グローバル時代のビジネスマインドと日本の役割
・楽観的な体質・まずやってみる
・出荷後のメンテナンスで更新するスタイル
・HWも一定期間で壊れることを前提として運用する
・Findit、Fixit…で一斉に全員がとりあえず取り掛かる
ガラパゴスの訳:国内マーケットが中途半端に大きい、グローバルな視点の欠如、コミュニケーション・対外交渉力が弱い
・等価交換・よくもわるくも
・智恵を使ってアジェンダとルールを作り大勢が集まってプレイするフィールドを作る
・★積極的な変化の受け入れ姿勢が大切★

以上

Google の理念
Google が掲げる 10 の事実
http://www.google.com/intl/ja/about/corporate/company/tenthings.html
・ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
・1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
・遅いより速いほうがいい。
・ウェブでも民主主義は機能する。
・情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
・悪事を働かなくてもお金は稼げる。
・世の中にはまだまだ情報があふれている。
・情報のニーズはすべての国境を越える。
・スーツがなくても真剣に仕事はできる。
・「すばらしい」では足りない。