仕事道楽ジブリ:鈴木 敏夫

一気に読めた:3人の傑物の影のリーダ?

■仕事道楽―スタジオジブリの現場 (岩波新書) [新書]
 鈴木 敏夫 (著)
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4004311438/

■内容(「BOOK」データベースより)
「この会社は毎日何が起こるかわからないから、ほんとに楽しい」。高畑勲宮崎駿の両監督はじめ、異能の人々が集まるジブリでは、日々思いもかけない出来事の連続。だがその日常にこそ「今」という時代があり、作品の芽がある―「好きなものを好きなように」作りつづけてきた創造の現場を、世界のジブリ・プロデューサーが語る。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
鈴木/敏夫
1948年名古屋市生まれ。1972年慶應義塾大学文学部卒業、徳間書店入社。『アニメージュ』編集部を経て、『風の谷のナウシカ』を機に映画制作へ。1989年よりスタジオジブリ専従、プロデューサーとして『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』など、大ヒット作を次々に生みだす。現在、スタジオジブリ代表取締役プロデューサー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
序にかえて―体にしみこんでしまった記憶
宮澤賢治の詩、寺山修司の影響
・終わったものは終わり、今この瞬間が大事
・忘れてしまう記憶は大したことは無い、体にしみこむ記憶が大事
1 「仕事は公私混同/まかせた以上は全部まかせる」―『アニメージュ』創刊のころ
アニメージュ創刊、2週間前、徳間書店
・特攻隊に行った人の死に対する覚悟と暴走族への理解、まずは現場に行ってみる
・仕事は公私混同でやる、頼んだら任せきる
2 「つきあう以上、教養を共有したい」―高畑勲宮崎駿との出会い
・合いたくない理由を1時間も言う人に驚き(高畑)その上で宮崎を紹介したのにも驚き
・太陽の王子ホルス:ベトナム戦争
・朝9時〜深夜2時までへばりつく「まくる」の部分「カリオストロ
・初対面で3時間、いつの間にか作品づくりにかかわる
・自分がわからない時にいい加減な相槌は打てない、理解するための教養が必要
3 「一番大事なのは監督の味方になること」―『風の谷のナウシカ』そしてスタジオジブリ設立
ナウシカを書くにあたって、独特のタッチと絵の密度を優先(鈴木氏の判断:笑)1日1枚
・映画の為でなく漫画としてちゃんと書く
・アニメをタテヨコでなく奥行きで表現したのは高畑、宮崎の挑戦・・・美女と野獣、アラジン、ノートルダム
・プロデューサは監督の味方:リーダーの孤独「間に合わないものはしようがない:高畑
・「ナウシカ」は成功すべくして成功した:見たことのないもの、密度と説得力
ジブリ:サハラに吹く熱風
4 「企画は半径3メートル以内にいっぱい転がっている」―宮崎駿の映画作法
・半径3mに転がっている、知識と情報を元に記憶だけを頼りに「オリジナル」にする
アイルランドの民宿で魔女の宅急便の家が出てくる:鮮明な記憶だけを頼りにデフォルメ化する
千と千尋はキャバクラ?コミュニケーション能力の成長、(宮崎)好奇心が情報収集する
紅の豚〜シナリオなしで作画へ:航海、不安
・できすぎた「サツキ」は泣くことで将来「不良」にならない?
・トトロの美術:30代の男鹿和雄:関東の土は赤(ローム層)
・トトロは、日本のどこの緑の中にも住みついた:宮崎駿の最大の成果?
・面白い、作るに値する、儲かる・・・トトロだけが採算度外視(きらくにという意味で)
・信頼はするが尊敬はしない
5 「みんなで坂を転げ落ちるのが映画づくりだ」―高畑勲の論理と実践
・高畑:おもひでで紅花の研究書を作ってしまう
・徹底的なこだわり、病的なほど?「ひょうたん島」
・坂を転げ落ちている途中で変えられない?(高畑)
・副委員長高畑は言ったが個人・高畑は違う(1週間後に退職)
6 「人間、重いものを背負って生きていくもんだ」―徳間康快の生き方
・金なんて紙、人間重いものをしょって生きていく
・第4スタジオまである、不規則な様々な人員を受け入れるため
・徳間社長の人間臭い子供っぽさ(敦煌、おろしや国・・・)
・叱責を受けた・・・そのとおりであります。改めて・・・・営業の重要性(どう対処するかが楽しい:生きてる?)
7 「いいものを作るには小さい会社のほうがいい」―「町工場」としてのジブリ
・何よりもまずタイトル「紅の豚:糸井氏絶賛」
・新商品の宣伝には10億、それを特別協賛という形で宣伝してもらう、品質には口出ししない?
・判断したらたとえ(51%)でも100%の信念で伝える
・意見を募り教えてもらい★交通整理をする、★そして任せる
・いかに伝えるか「わからないものをわかるものに置き換えたい欲求」
・押井氏:鈴木がかかわって宮崎の映画が社会性をもった「うさんくさい、つまらない:笑」・・・なるほど
・地図を書く能力:現実で好きなところがないという事実
・機能だけでは集団は維持できない、失敗してもいいからやる気迫、2つのことはできない?
・ポニョ:瀬戸内海、夏目漱石「門:宗助」、ミレーの「オフィーリア:水に沈む女性」
あとがき 雑談のなかから作品は生まれる
・2007年夏〜2008年6月、大往生の「井上一夫」
・編集者とは?雑談してその中から作品が生まれてくる、編集者型プロデューサ
 仕事をさせてないふりをして仕事をさせる、あおってないふりであおる

以上