日本人の足を速くする 為末 大

■日本人の足を速くする (新潮新書) [新書] 為末 大
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4106102137/ref=dp_toc?ie=UTF8&n=465392

■内容(「BOOK」データベースより)
たとえ筋力や体格で劣っていても、日本人に合ったトレーニング法と正しい身体の動かし方をマスターすれば、
世界と戦える。足は「技術」で速くなる―。400mハードルでメダリストとなった“侍ハードラー”が、
試行錯誤の末に到達した「走る極意」とは何か。また、大舞台で勝つための集中力の高め方、
精緻に計算されたレース攻略法とは。陸上競技の見方が一変する、日本人のための知的陸上読本。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
為末/大
1978(昭和53)年広島県生まれ。プロ陸上選手。APF所属。法政大学卒。短距離で活躍した後、大学から400mハードルに専念。
2001年と2005年の世界選手権では銅メダルを獲得した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
序章 なぜ日本人は足が遅いのか
・カールルイスになりたい
・小中で日本一の早熟型、15歳で100mランナーとしてピーク
 高3で400m、400mハードルで優勝、ポテンシャル貯金
・日本人、農耕民族、野菜と魚、着物と正座、★骨盤の後傾
・走ることに関しては100の内の75のアフロアメリカンと、50を技術で克服する日本人の戦い

第1章 だれでも足は速くなる
・走るときに前傾してコケ続ける
・日本人の★骨盤の後傾のために、前傾姿勢が必要…自転車では?
・股関節に地面を踏んだ感触が伝わってくる、滑るように滑らかに走る
・フィジカル、メンタル、テクニック
ウェイトトレーニングの弊害、目的の筋肉だけを鍛えるのは難しい
・前面が強い日本人と、後面が強い欧米人
・欧米:足は細くて、肩、臀部、腿の後ろなど玉のような筋肉の盛り上がり、筋肉の収縮と強靭な腱
・日本:長い面に筋肉が付く(トータル、スペインサッカーなど?)
・走るためには腹筋回り
・伊藤浩司 お辞儀走法10秒00、初動負荷、大幹の筋肉からの力を増幅、
 骨盤を正面に向けるための前傾姿勢
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E6%9D%B1%E6%B5%A9%E5%8F%B8

第2章 速くなるトレーニン
・早くなるためには下り坂ダッシュ
・剣道と相撲の前傾、敏捷な重心移動…合気道にも使える
・一本の棒になる、、、朽木、トランポリン
・スクワットは膝上の筋肉、動く体を止める…走ることには不要(合気道ではいる)
・腹斜筋・・・袈裟切り、★腹斜筋と★二の腕の締め
・猫背の日本人は早い、膝が出ている、足首が細く腱が強い、肩幅が広い、腕が長い
・顎を上げない?=鳩尾を前に出さない
・肝心の筋肉(丹田体幹)だけに力を入れてあとはリラックス
・下腹で地面を抑える、負荷ツイスト
・米式は量が半分でも負荷が大きくトータルでは上
・一定レベルまでは反復、それからは質と負荷

第3章 勝てない人と勝てる人
・平常心は無理、異様な空気を乗り切る、吹っ切る
・極度の興奮状態を俯瞰する、思い込みが激しく突っ走る「キテル」感じ
・技術を獲得してからの反復は意味がない
・トレーニングのリスクコントロール
・スキューバで不安、将棋の長考時は酸素消費量が増える
・反復トレーニングしレースでは考えなくてよくする
・行けるときは行けるところまで行く狩猟民族的、タイミングが大事
・世間のアドバイスは「この方が安全なことが多い」という統計的経験値
・大仕事の際には波に乗ることも必要

第4章 ハードルの上で休む
・世界一になっても平気で陸上を捨てていくがレベルが落ちない層の厚さ
・ハードル、水泳の平泳ぎは日本人向き?
・苅部、斎藤、山崎の先人たち、スピードのアドバンテージで勝負「侍ハードラー」
・中学時代、走るのは2日、あとは砲丸、高跳び、幅跳び、サーキットなどバランス重視だった(指導者!)
・最終的に自分を効率よくコントロールできるのは自分
・コーチとだと分かち合える、メンタルの波に対処できるメリット
・全開でスピードに乗り滑らかに跳ぶ、ハードルの上で休む「脱力」
・動物、チーター、着地の反発力を腱で受け止めて推進力に変える

第5章 13歩を究める
・失速型のレース、163歩、加速に50m、徐々に13−15歩に減速、40mもがく
・逆足では1回だけ飛ぶ
・風や状態など、ハードル間の危機管理、腕の高さでストライド調整、踏切誤差は20㎝以内
無酸素運動は35秒、300mのつもりで走ってあと100mは根性
・練習を休む勇気、直前は10日で400m2本のみ、ストレッチ、散歩:エネルギーをためる
・ピーキング、8か月単位、超回復は1週間〜1年間
・高地トレーニングは有酸素運動に対して効果的…自転車?心肺面、アベレージは高くない

第6章 銅から金へ
・メンタルの振子
・名前があるうちに別分野で勝負?覚悟
・2回できて実力、体調的にピーク、神風(悪天候…経験)
・1秒違うと、子供と大人

第7章 もっと陸上を!
・メダリストは待遇が、1年だけ違う、銅メダルで1試合50万
サニーサイドアップ、年間240万(月と誤解:笑)
・銅メダルで100万、アスリートの努力が経済的な成功に結びつかない
・いかにショーアップするか、競技場の趣向、WRへの賞金500万
鳥人セルゲイブブカ6m14は35回更新している
・記録主体の難しさ
・論理的なエンターティナーになりたい
 論理ー感性、娯楽ー職人

以上