ツール・ド・フランス/ちゃんと読んだ★読みやすい本

ツール・ド・フランス (講談社現代新書) [新書]
 山口 和幸 (著)
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4062882140/ref=dp_toc?ie=UTF8&n=465392

■内容紹介
ここ数年、ヘルシー志向の高まりやエコの観点から、自転車に乗るサイクリストたちが急増、自転車ブームが到来している。実は、これが日本におけるブームの3度目で、高度経済成長期において青春を満喫する「銀輪サイクリングブーム」が最初、1985年にNHKが特集で放送したことがきっかけで「ロードレーサーブーム」が起きたのが2回目である。
その2回目のブームを巻き起こした放送というのが、世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」である。「ツール」とは「一周する」という意味のフランス語で、文字どおりフランス全土を約3週間にわたって自転車で一周する。途中、数々の名場面の舞台となったアルプスやピレネーの山々を駆け上ったりし、総距離はじつに3600kmにも及ぶ。
そんな壮絶なレースのはじまりは、1903年。スポーツ新聞の拡販キャンペーンとして実施されたことに由来する。以後、二度の世界大戦による中断をはさんだものの、今年2013年6月29日から開幕する大会でちょうど100回目を数える。
本書では、100回を数えるまで歴史を積み重ねてきたツール・ド・フランスのスポーツとしての魅力を、これまでの名勝負・名選手にまつわるエピソードから抽出し、同時に、歴史を育んできたフランス、ひいては欧州文化の土壌を紹介する。
近年、南米や東欧の選手たちの躍進が目覚ましいなか、日本人選手の活躍も記憶に新しい。アームストロングのドーピングによる7連覇剥奪といった事件もあったが、新たな世紀に突入するツール・ド・フランスの魅力を一冊に。
内容(「BOOK」データベースより)
欧州の歴史と文化が形成していったツール・ド・フランスは、先にも述べたが経済や社交、娯楽やピュアスポーツが渾然一体となって進行していく。しかし最も本質的な部分は「勝った、負けた」の競技であり、本書ではこの大会の骨格と言うべきその部分に絞って紹介している。

■目次
プロローグ 自転車ロードレースとは何か
・日本での認知、★1985年NHK特集「世界最大の自転車レース」
・日本の★大相撲とよく似たところがたくさんある
・フランス特有の2系統の警察組織:憲兵隊/ポリスナシオナル 各1万ほど
・★ASO:アモリー スポール オルガニザシオン、、、母体はスポーツ紙「★レキップ
・ランス、癌闘病からの復帰後の7連覇は★2012/10 ドーピング違反によって全成績剥奪
 その7年の激闘がすべて否定されるものなのか
・日本の自転車ブームは3回
 1.高度成長期の青春満喫「★銀輪サイクリングブーム」
 2.★1985年NHK特集の「ロードレーサーブーム」
 3.現在のエコと健康増進の「★スポーツバイクブーム」
・2009年以降の日本人選手の活躍、別府、新城、宮澤、(★狩野、鈴木譲)
・100回記念はナポレオン出生地コルシカ島からフランスだけをめぐる
・出場200名の選手が時速40㎞の風を背後に従えながら真夏のフランスを23日かけて1周する
・あんなに速く走れない、あの山には登れない…★選手へのリスペクト
・1896年アテネの★第1回五輪競技大会から正式種目として、その3年後に米シカゴで世界選手権の伝統
・3大ツール、グランツール、(ジロ:伊、ツール:仏、ブエルタ:西 …★1周)
・ワンデーレース(北の地獄:パリルーベ、クラシックの女王:ロンドヴァンフランデレン、落ち葉のレース:ロンバルディア
・サイクリングは脂肪燃焼の効率が最も良い、プロ選手は★体脂肪1桁〜5%(感染症などの抵抗力が落ちるギリギリのライン、プロ選手は強靭)
・★心拍数が30を切る選手も(三船さん)
・フルマラソンと1ステージのカロリーは同じくらい
・路面からの★衝撃で体を痛めることがなく、体重をペダル、サドル、ハンドルに★分散できストレスが集中しないことが怪我予防につながる
・賞金は総額5億、ステージ優勝に100万円、総合は5千万円ほど
・空気抵抗との戦い、複数選手が意思統一した方が優勝の可能性が高くなる、集団戦
・山岳での空気抵抗は低くなる、逃げ切りやすい、アルプス、ピレネー、フランス中央山脈、絶好の観戦ポイント

第1ステージ フランスの英雄とアメリカの開拓者(ベルナール・イノー、ローラン・フィニョン、そしてグレッグ・レモン)
・フランス、ベルナールイノー「ブルターニュアナグマ」、こだわりは
 ウェア、ヘルメット、サングラスなど自転車産業界を飛躍的に進化させた
・1978年初参加で初優勝、80年に世界選手権で優勝「アルカンシェル:虹」
・平坦の高速と山岳をこなし、タイムトライアルで差をつけて優勝する方程式:イノーが先駆け
・総合リーダチームの労力は大きい:反応、、レースコントロール、個人としても記者会見、ドーピングCなど負荷は大きい
・イノー、アンクティル、メルクス、コッピがダブルツール達成(4人)
・ローランフィニヨン:パリ出身、ブロンド、銀縁メガネの「教授:プロフェッサー」
・山岳スペシャリスト:バイインプ、ビランク、パンターニ
・イノーとレモン(アシスト:米)の関係、からの転換
・1989年フィニヨンとレモン(DHバー、猟銃事故からのカムバック)の対決
 TTでレモン、山岳でフィニヨン
 ★最終日わずか8秒差でレモンの逆転
ラルプデュエスを制する者はツールを制す(モンバントゥー)
・フラムルージュ:赤い炎、ラスト1㎞

第2ステージ ツール・ド・フランス5勝クラブ(ジャック・アンクティル、エディ・メルクス、ミゲール・インデュライン)
・総合優勝の歴代最多は5勝、アンクティル、メルクス、イノー、インデュライン(4人)…ランスは幻の7勝
・最後の総合優勝から7年も経過しての剥奪は欧州主義の表れ?
・ジロの最多優勝も5勝、ビンダ、コッピ、★メルクス
・コッピの「カンピオニッシモ:最も強い」、「カンピオーネ」の最上級
・伊のネンチーニは初優勝時に仏:シャルルドゴール大統領にことわりを入れた?
・プリドール「エターナルセカンド」、、、★独:ウルリッヒ
・参加形態を★ナショナルチームにするか、★企業スポンサーにするかで変遷してきた
・メルクスもドーピング違反の疑いがあった、★UCIは無処分
・メルクスはコルナゴで年間26本もフレーム提供を受けたとのこと「カンニバル:人食い鬼」
インデュライン:心優しき、誇り高い★バスクの英雄、アトランタ五輪で金、97年引退
・1995年第15ステージ ピレネーの「カサルテッリ:伊」が縁石に頭部打ち付けて即死・・・★「ウェイラント」

第3ステージ 黎明期からビッグイベントになるまで
・パリ郊外のオーベルージュ(旅籠)「★レベイユマタン:目覚まし時計」
・新聞社「ロト:くじ」→「ベロ:自転車」→「★レキップ:チーム・班・組」
大阪府堺市の★シマノがコポーネント「ギヤ」開発で飛躍的な進化
・中心人物「アンリ・デグランジュ」、「ルフェーブル」、「」
・コミッセール「審判団」…初期は闇夜に紛れて列車移動もあった
・演じられたことのないようなドラマ、★ピレネーの峠「ペールスールド、アスパン、オービスク、ツールマレー」
 …最も過酷なレース、「道の徒刑囚」、★ステージ平均350km、総距離5000km

第4ステージ 偽りの王者に戦いを挑んだライバルたちの悲運(マルコ・パンターニリシャール・ビランクヤン・ウルリッヒ)
・★2012/10/22 ランスのドーピングによる記録すべて抹消、★米USADAの告発
 …そののち2013年UCI会長交代「クックソン:英」へ(マックエイドより)
・ランス:96年12月睾丸癌からのカムバック99年、、、★そして幻の7連覇へ
・欧州記者との確執「★相次いでアシストが離れていく」
・★パンターニ「イルピラータ:海賊」のラルプデュエス最速記録「坂での下ハンダンシング」
・★98年フェスティナ事件、仏ワールドカップとの併催時、フェスティマチームのマッサーが800個以上の禁止薬物、注射器を押収
 「★チームぐるみのドーピング」
・★モンバントゥー(プロバンス)67年チャンピオンの★シンプソン:英が昏睡して命を落とす
ウルリッヒ(ドイツ:エターナルセカンド)、リース(デンマーク)のアシスト
・2001年、ウルリッヒピレネー落下、ランス待ち残り6㎞独走(2000年シドニー五輪:金)
・★自転車競技は、持久系かつ、薬物摂取により飛躍的に高まる(★毎日フルマラソン

第5ステージ カミカゼ・ジャポネ!(今中大介別府史之、そして新城幸也)
ルーアン:アルセーヌルパンのモーリスルブラン:奇岩城
★1996年伊ポルティ、今中大介(当時32歳)広島出身、大分大学、TD北海道(3勝)、国体3連覇
★2009年、別府(7位とシャンゼリゼの逃、敢闘賞)、新城(5位)、、、遜色ないが優勝するには何かが足りない
★2010年ジロ、新城(3位)、仏:ピノー「無謀なアタック20回やって1回勝てたらもうけもの」
・2012年新城ツール、210km逃げて★敢闘賞+表彰台

エピローグ はるかなるツール・ド・フランス
・フランス:年間8140万人の観光客、景観、美食、ワイン
・南米選手の活躍、79年生まれの★トマ・ボクレール、マルティニック島で幼少期、04年、11年、12年マイヨジョーヌ獲得
・フランスの若者にとって楽しいことはたくさんあるあえてつらい道を選ぼうとしない
・アジア最強の自転車大国カザフスタンの★ビノクロフ「アジアの金狼」ロンドン金メダル「死に物狂いの努力」、アスタナ
・2012年英:ウィギンス総合優勝、ロンドンTTで金、★ツール取材で50年間自国の総合は感慨深い(英記者)

以上