東京オリンピックの光と影 結城 和香子 (著)

東京オリンピックの光と影 2014/1/24
 結城 和香子 (著)
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4120045889/ref=dp_toc?ie=UTF8&n=465392

■内容(「BOOK」データベースより)
東京はなぜ勝ったのか。IOC取材20年のベテラン記者が招致の舞台裏を克明に描き、オリンピックの魔法と深淵を読み解く。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
結城/和香子
1962年東京生まれ。筑波大学附属高校、東京大学文学部英語英米文学科卒。1986年読売新聞入社。運動部、シドニー支局長、ロンドン支局(欧州総局)員、アテネ臨時支局支局長、運動部次長等を経て編集委員国際オリンピック委員会(IOC)の取材を担当し、現地特派員として報じたシドニーアテネ大会や、2012年ロンドン大会を含め、1994年以降の夏季・冬季五輪10大会、夏季・冬季パラリンピック5大会(2014年1月現在)を取材(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
第1章 東京開催決定(豪雨宣言 ほか)
IOCの開催都市選考は、過半数が出るまで最下位候補を除外して次のラウンドに進む形で投票する
・五輪招致の歴史で途中でタイになったことがあるのは2回だけ、そのうち1回は長野が勝った
・安倍首相の保証とプリンセス(高円宮妃久子様)の存在
・東京の勝ち取った最大の要因「スポーツの力」とは?

第2章 嵐の中の攻防 IOC総会直前(汚染水の影直前の失点 ほか)
・汚染水問題は、メルトダウン以来のレベル7で最悪の危機
 対策のずさんさ、公けへ出てくるデータへの信頼性
 …招致委員会に対応できる問題ではない、政府関係者のみが反論可能
・プレゼンテーションは参考にするけども判断基準にはしない。あくまでショー、印象や人間関係で選ぶ
・フランス語の重要性、IOC創設のクーベルタン男爵がパリ・ソルボンヌに
・今回の選手たちの使命感をもって招致にかかわる姿に、スポーツ界のおおきな自覚の変化と可能性を感じた
・投票直前の失言が招致の命運を決めてしまうことがある
IOCは招致だけでなく、会長選挙も行われる(複合視点、俯瞰する)
・問題に全く触れない手法=自力で勝つ方法の放棄?
・日本のプリンセスによる、仏蘭西語と英語による、IOCへのスポーツによる震災援助への感謝の辞は勝因の柱の一つ
・アンチドーピングについて、トルコとスペインの負の部分
 オペラシアン・プエルト事件:フエンテス医師が軽い刑罰

第3章 プレゼンテーションが生んだ翼(スタンバイイスタンブール ほか)
・スポーツの力、未来への希望、復興への原動力の一つ、活かし方によってはそれ以上の価値を生む

第4章 東京招致舞台裏(唯一無二のチャンスはじめの一歩 ほか)
・夏五輪が3都市(東京、イスタンブールマドリード)なのは近年まれにみる
 南ア:WorldCup2010以降の経済地盤、ローマが経済状況の悪化、など理由に辞退
・東京の開催能力(HOW)は高いが、意義(WHY)が問題
・義務教育に体育を組み込んでいるのは強み、その後の文化としての体育は心もとない
コンサルタントの影響が強くなりすぎると、都市のキャンペーンが画一化される
・失言という爆弾、日韓問題、食事(英)、など、、、TPOを読めず不特定多数がどう受け取るか配慮が足りない場合に起きる
IOC委員は様々な理由で投票する、恩義、人脈、情、組織支持、スポーツ交流 など
IOC委員:115人上限、「個人資格:70枠、各国競技代表」、「選手委員などはしがらみが少ない」

第5章 五輪の光と闇(オリンピックの遺産ボウフラの飼育場 ほか)
・五輪の大会運営費、社会インフラ、競技場、警備費など国費が投入される
・国ごとのコスト負担により、もめたり、五輪後の運用が立ち行かなくなる場合も有る
・ロンドンでは、ストラットフォード駅近辺を、町ごと作り出した
・日本も新幹線、国立競技場、代々木体育館など50年以上活用している
・英国人の誇り、人種のるつぼ、多くの問題、唯一他人を助ける気風
・ドーピングと八百長、競技への公平さが失われればスポーツは終わり/見世物(野球や相撲、自転車など)
・ベンジョンソン:100m走金剥奪、2極化、比較的単純/複雑高度組織化
・2006年:自己血輸血は白だった。
オペラシオンプエルト:2013年フエンテス医師が執行猶予付き1年
・ランスの全7タイトルのツールドフランス剥奪、フェラーリ医師
・五輪の検体を8年間保存、ハンマー投げなど
・検査データを時間軸で確認する「バイオロジカルパスポート」
・やはり税関と警察、公権力との協力が欠かせない
・五輪を行うことで得られる、有形、無形の遺産を有効活用する
・人々の参画、スポーツを通じて健康で文化的な生活を営むことは、すべての人々の権利
・年長者が元気な国は良い国
・変化を作り出すのは自分たち一人ひとり
・祖母の教え:人の3倍努力しあとはまじめに生きなさい

以上