まじめの罠  勝間和代

■まじめの罠 (光文社新書) [新書] 勝間和代 (著

■内容紹介
◎ 著者の言葉 この本は「まじめな人」に捧げる本です。 「まじめな人」とは、ある目標に向かって一所懸命に突き進んでしまう人。 「まじめ」は日本では誉め言葉ですが、本当に褒め言葉に値するものなのでしょうか。 そのことを疑ってほしい、というのが本書の考え方です。           ◎ 内 容 「まじめの罠」とは、何かに対してまじめに努力した結果、 自分や社会を悪い方向に導いてしまうリスクを指す。 そして、いま、日本社会全体がこの罠にハマっていると考えると、 いろいろな謎を解くことができる。 あなたは、この罠にハマっていませんか? 「究極の優等生」として悩みながら働いてきた著者が 渾身の力を込めて綴る、「脱・まじめ」の上手な方法と、そのご利益。 ◎ 目 次 はじめに 第1章 「まじめの罠」とは何か、そして、なぜ「まじめの罠」はあなたにとって危険なのか 1-1  「まじめの罠」とは何か 1-2  「まじめに生きる人生」は「幸せな人生」か? 第2章 あなたが「まじめの罠」にハマってしまうメカニズムを理解しよう 2-1  「まじめの罠」を生む外部要因――日本社会式エコシステムの存在 2-2  「まじめの罠」を生む内部要因――「まじめ」に特化したことによる大局観不足 第3章 「まじめの罠」の害毒 3-1  「まじめの罠」が当事者に与える害毒 3-2  「まじめの罠」が社会に与える害毒 第4章 「まじめの罠」に対する処方箋 1 失敗を恐れるな 2 問題設定そのものを疑え 3 動物的な勘、身体感覚を養え 4 独立した経済力を持て 5 自分のまじめさや常識を疑え 6 正しい自己認識を持て おわりに
内容(「BOOK」データベースより)
「まじめの罠」とは、何かに対してまじめに努力した結果、自分や社会を悪い方向に導いてしまうリスクを指す。そして、いま、日本社会全体がこの罠にハマっていると考えると、いろいろな謎を解くことができる。あなたは、この罠にハマっていませんか?「究極の優等生」として悩みながら働いてきた著者が綴る、「脱・まじめ」の上手な方法と、そのご利益。

■目次
はじめに
・仕事も家庭も120%で取り組むと破綻する、駒となってしまう
第1章 「まじめの罠」とは何か、そして、なぜ「まじめの罠」はあなたにとって危険なのか
1-1「まじめの罠」とは何か
1-2  「まじめに生きる人生」は「幸せな人生」か?
・自分は命令に従っただけ責任は無い「服従の心理:ミルグラム」、アイヒマン実験
・受動的、課題設定に疑いを持たない、前提を鵜呑みにしない、ゼロベース思考
マッキンゼーJPモルガン…大前氏と藤原氏を見ているよう
・背景にある概念を理解する、不必要なことには適度に手を抜く
・まじめな割に成果が出ていない=ズル=価値やアイデンティティを崩壊させられてしまう危機感
・「愛を読むひと」看守だからユダヤ人を外に出さず火事で殺してしまう
レッドオーシャン(過当競争)、ブルーオーシャン(ニッチ)
イノベーションのジレンマ…大企業がまじめにするほど遠ざかる
・高スペックの偏った商品ばかり生み出す:過剰品質

第2章 あなたが「まじめの罠」にハマってしまうメカニズムを理解しよう
2-1  「まじめの罠」を生む外部要因――日本社会式エコシステムの存在
2-2  「まじめの罠」を生む内部要因――「まじめ」に特化したことによる大局観不足
・責任転嫁する−完璧主義−PDCAサイクルで評価しない
・他人のリスクと認識し管理をおろそかにする
小選挙区ではまじめな人
・3か月で100点、2日で80点…第一段階は2日、第2段階は100点の組み合わせ
・失敗を隠ぺいする、減点主義リスクを取らない
・皆がやっているから、これまでそうだったから
・デフレ変化が少なく既得権益を守る
・BtoCはまじめ連合に対抗できる、外食、ゲーム、EC
・3年で基本的にはわかる
・マネできない仕事をする人ほど、どこまでマネできるか理解している
・まじめの欠点(多様な視点、問題設定能力、客観視)
・医者のスキルセット:人に尽くす、病気を治す、寝食を惜しんで努力
・病院では高学歴に気をつけろ
・アメックス:限度額、信用限度額もフレキシブル
・消費期限と賞味期限、加工品に厳しく、生鮮食品にユルユル

第3章 「まじめの罠」の害毒
3-1  「まじめの罠」が当事者に与える害毒
3-2  「まじめの罠」が社会に与える害毒
・努力が成果に結び付かない、被害者意識、攻撃的、他社を差別、ネットイナゴ
・環境作り、選びに重点を置く
・ユッケ問題:包丁消毒、トリミング、鮮度管理、安全管理
・感情的で支離滅裂
・まじめにやらないで成功したおまえはずるい=ずるい=悪い
・根本が解決しない、先送り、リーダーシップが継続しない
・政治家の価値が、どれだけ近いか、顔を出したか
・官僚の価値はどれだけ天下り特殊法人を用意できたかできまる
・農業保護のカロリーベース
・保険制度の懲罰精度、自費診療で100%さかのぼって支払い
・有事に有事の判断ができない

第4章 「まじめの罠」に対する処方箋
1 失敗を恐れるな …自分で考える
2 問題設定そのものを疑え …情報の3分割(メディア、本ネット、独自)
 判断を人任せにしない、自分の軸で斬る
3 動物的な勘、身体感覚を養え
 チャンスを最大に、細心の注意で、幸運を期待、ピンチをチャンス
4 独立した経済力を持て
 投資期間と重要の関係、負債のコントロール
5 自分のまじめさや常識を疑え
 初対面で10分話す、知らない=批判、自分に酔う、敵意(★)、メモ、長話
 抜け道を探す
6 正しい自己認識を持て
 完璧は無い、対等な関係(率直、誠実、自己責任)、TTP(徹底的にぱくる)

おわりに
・他力本願、責任回避、自分は違うは危険

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読みました、3章まで読んだ時は、将来真っ暗な気持ちでしたが
4章でちょっと救われた感があり狙い通りなのかなと感じました。

会社でよくありがちな「複数の無責任」、「盲目の努力」部分には納得がいく半面
「被害者意識」、「攻撃的な面」では自分がおちっている危険性を感じ、なるほどと思います。

今回の本を読むと「断る力」や大前研一氏、藤原和博氏をなぜか思い出すのは、
マッキンゼーリクルートイズムが出ているせいでしょうか。

要素を煮詰めていく最終的には「新しいことは無い」かもしれませんが、
「定期的に自分にいい刺激を入れていく」という意味では読んで良かったと思います。

それに関連して直近の経験に基づく履歴を残すということで、
私は合気道をしていますが、一定レベル以上の指導者の方は
「5〜10年単位毎に自身の技の再確認という意味で書籍化(アウトプット)」してくれるといいのになと思っています。
それが「1年毎だと何も変わらないと他の人にはとらえられてしまう」のではないのでしょうか
ふとそう思いました。関係ないかな
…なぜだろう「感動が無い」とも思えるからかもしれません
初めて「史上最強の**」を読んだ時は一気に読み切り感動しました
だから結局受け取る人の状況に寄るのでしょうね