リクルートという奇跡_藤原 和博

リクルートという奇跡 (文春文庫) [文庫] 藤原 和博
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/416767954X/
 
■内容
―河野さんはいつ社長を辞めるおつもりでしょうか――こんな衝撃的な一言から本書は始まっている。これは著者の、藤原和博が、株式会社リクルートの第41回定時株主総会で突きつけた質問。本書のテーマとなる「リクルートマンシップ」の真髄が伝わってくる、強烈なエピソードである。

本書は、東京大学を卒業後、まだ名もない企業だった日本リクルートセンター(当時)に入社し、さまざまな事業の経験を経て、営業本部長にまでのぼりつめた藤原和博が、人材輩出企業リクルートの秘密を内部からえぐり出した1冊である。

アルバイトをきっかけに入社した藤原青年が、「ビジネススクールリクルートでさまざまな教師に出会い、成長していく様や、リクルートの社員たちがどんなスピリッツを持ち、さまざまな問題に立ち向かっていったかが、実に生き生きと描かれている。新人・藤原を率いて、苦情をあっさり契約に結び付けてしまった先輩、木村晴男や、ダイエーの中内社長(当時)からも教えを請われたという伝説の営業マン、土屋洋、安比高原スキー場を手がけた天才デザイナー、亀倉雄策iモードを成功に導いた松永真理、さまざまなタレントたちのエピソードなども枚挙にいとまがない。リクルートという企業の躍動感が伝わってくる、魅力的なドキュメントに仕上がっている。

内容は決してさわやかなものばかりではない。リクルート事件のスキャンダルに巻き込まれ、マスコミと闘った著者の苦悩や、ダイエー支配下に置かれ、プライド喪失の危機にひんした頃の重苦しい社内の雰囲気など、リクルートの社史の陰の部分も描かれている。(土井英司) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
内容(「BOOK」データベースより)
1980年代以降の情報誌文化を創出し、今なお時代の先端を走り続けるリクルート。なぜユニークな人材を続々と輩出できるのか。リクルート事件ダイエーによる買収など、幾多の危機をどう乗り越えたのか。同社幹部としてそのすべてを見届けた著者が明かす“奇跡の企業”の秘密。これはサラリーマンの教科書だ。

■目次
プロローグ 株主総会で社長退陣を要求
リクルート事件:負債1兆の返済
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%88%E4%BA%8B%E4%BB%B6
 http://www.sinkan.jp/special/recruit/index.html
リクルート出身者が外で通用する理由
第1章 アルバイトが動かす会社
・訪問日誌+フォローで再生
・まずはアルバイトをやらせてみる
・男はロマンに弱い、エネルギーをかけるだけの夢を要求する
・美智子妃殿下のお気に入りのクロスを改装時に採用する
第2章 無敵の営業
・不満をじっくりと聴き改善して契約を取る+引き継ぎもしてしまう
・営業は客をえらくすることを目標にする
・地道に+ヵ月も先行して取材した資料が必要な時にある
・部課長より担当者を大事にする
トステムのデザイン「亀倉雄策」・・・APPIの四季のデザイン(冬のウサギ)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%80%E5%80%89%E9%9B%84%E7%AD%96
・アルバイトの即戦力化のビデオ教育システム
 すかいらーく三菱自動車デニーズ、セコムなど・・・営業とは企業を変える
・営業の半分は上司や同僚から盗む、半分はお客様に教えてもらう
・1年に1人(社)結婚式に参列してくれる人を見つける
第3章 情報誌は市場である
・はねっかえりには集中か★兼任か
リクルートの情報雑誌(在庫無)、ビーいんぐ、とらばーゆ、フロムA(チョロQ
・総合化、理想主義、べき論・・・事業には毒にも薬にもならない
・女性編集者の登用と主婦の判断の浸透
・システム化−営業のマニュアル化−利益体質の強化
第4章 リクルートビジネススクール
・関西の宅訪テクニック(庶務−地図−キメウチー近所聞き込み)、1.キッカケ2.深める 2回程度
・よいものは決定、駄目なものは即潰される
・住宅雑誌号3億×4期見込み・・・・現在月刊化年商40億
・自分たちから効果が出るように展示会場に配布する等の手を打つ、情報誌マーケティング
・オーナーワンマンでなく組織で経営、、、やんちゃは使いづらい
第5章 非合理を反面教師にした経営
・江副人事、一旦兼任その後専任化
・初めから調査結果の社会的な意味づけを検討した上絵の調査設計(スカウト率、給与上昇率、Iターン率)
・お客でも、自社でもなく、★社会がどう見るかという視点
リクルート知名度の浸透度の不思議(雑誌名の方が深い)
・江副社長:冷静、冴えた判断、合理性、「社会的貢献、商業合理性の追求、個人の尊重」
・社長まで「さん」、中元の禁止、業績査定のフィードバック、自身の仕事チェック&レビュー、3年毎の1か月休暇、実力主義、男女差無
 商業合理性の追求=人間の動機づけの合理性追求
・人手不足=全員経営、社員持株会(筆頭か?)、新規事業の生産、「★利益ありきの体質が前提」
 健全なPC活動、本社費の自由度、家族主義(★同族主義の皆無)
第6章 通信自由化の罠
・NTTの価格支配、利権=政治、在庫
・不得意部門?
 在庫、低マージン、価格競争、継続高度学習・・・わりと普通の内容
・メーカへの憧憬、需要予測ミスでの過剰仕入生産で、市場縮小とともに破綻する
・必要なら必要なだけ★必要な時に借りて、★どのように利用するか知恵でソフトとして提供する
・付加価値の突かない営業は逆に鍛えられる、営業が差別化する
・既存強化、技術者の融合、付加価値の無い状況での真のリーダーシップが磨かれた
 「弱い商品は営業を強くしてくれます」
・人という資産に対して極めて合理的に投資基準を持っていた
第7章 スキャンダル克服
・やけ食いと「一杯のかけそば」・・・分かち合う、そっと手を差し伸べる

・★自ら機会を作り出し機会によって自らを変える★

ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%81%8C%E3%82%84%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%9D%A5%E3%82%8B%E3%83%A4%E3%82%A1!%E3%83%A4%E3%82%A1!%E3%83%A4%E3%82%A1!_%28%E6%9B%B2%29
・疑似市場化した住宅情報でリクルートが不動産業界に殴り込みをかけた:ように見えた?
・不動産業界にのめり込む過程でそのスピード感に酔う?
・通信の自由化で踊っただけで舞台を降りた?
第8章 ダイエーショック
リクルートマンシップとは?情報の中立性
・対策:各事業のリストラ、編集権の自立、持株会の強化、採用事業の統合(編集局)
・宣言:中立性、情報産業No1、「さわやかな青空に真っ白なカモメ」、機会の自創
第9章 リクルートマンシップにかけて
・RC,FFへの過剰投資、海外事業の破綻、採用広告事業の改善
・フェロー、エネルギーをもらえる仕事、父正術
エピローグ 河野栄子社長への手紙
・新しいビジョン=投資、センス(暗黙のルール)、新しい世代

リクルートマンシップ★

以上