ランチェスター思考/福田秀人/故・田岡信夫氏

ランチェスター思考 競争戦略の基礎 [単行本]
 福田秀人 (著), ランチェスター戦略学会 (監修) 価格: ¥ 2,520
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4492556249/

■内容紹介
ランチェスター
Frederick William Lanchester 1868~1946年、ロンドン生まれの自動車工学・航空工学のエンジニア、王立航空協会名誉会員。第一次大戦の際、初めて行われた航空機による空中戦を分析し、兵力量と損害量の関係から2つの軍事的法則を考察、発表した。これは後に「競争の法則」と呼ばれる「ランチェスター法則」となった。ランチェスター法則は、日本では軍事論より経営論として有名である。

ランチェスター法則
太平洋戦争後この法則を知り、マーケティングに応用できるのではないかと考案した故・田岡信夫氏は「ランチェスター販売戦略法則」として体系化。多くの企業で成功事例を生み出し、その一連の著作は500万部を超え、いまなおロングセラーとして支持されている。本書では田岡氏の遺稿より「他社に勝つセールス」を収録。

ランチェスター戦略
企業はもとより、学校、病院、NPOなどの非営利組織、さらには自治体までもが厳しい競争にさらされるようになり、存亡を賭けた戦いを強いられている。戦いは、ランチェスターの法則に大きく支配され、勝敗は、もてる力と、その運用の優劣に左右される。そこに、力に劣る弱者が、戦力の運用次第で、強者に勝てる、ないし、つぶされずに生き残るチャンスが生まれる。ランチェスター戦略は、ランチェスター法則をふまえ、そのチャンスをうみ、ものにする条件と、実行可能な方法を追求したものである。

本書を推薦する著名人
千本倖生(イー・モバイル株式会社代表取締役兼CEO)
鹿井信雄(元ソニー株式会社副社長)
鳥羽博道(株式会社ドトール・コーヒー名誉会長)
吉越浩一郎(トリンプ・インターナショナル・ジャパン前社長)
澤田秀雄(株式会社エイチ・アイ・エス代表取締役会長)
大久保秀夫(株式会社フォーバル代表取締役会長兼社長)
吉田哲夫(キャノンマーケティングジャパン株式会社取締役エリア販売事業部長)
著者について
福田秀人
1949年石川県生まれ。立教大学大学院教授(21世紀社会デザイン研究科危機管理学分野)。ランチェスター戦略学会副会長、航空保安協会評議員慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程修了。経営コンサルタントや会社役員として、経営戦略・組織体制の改革、リスクマネジメント、企業再生支援などに従事した後現職。放送大学客員教授慶應義塾大学海上自衛隊幹部学校などの講師も務め、戦略論、組織論をもとに、経営レベルの危機管理の教育・指導にあたっている。モットーは、着眼大局・着手小局。

■目次
・2主体が戦うことを想定し、…技術一定の場合、一騎打ち(戦力=兵数)、集団戦闘(戦力=兵数の2乗)
・集中の威力、分散の危険、弱者が強者に勝つ条件とその限界
・利益でなくシェア拡大、2位以下の企業の対策、精神力の限界を理解し、過大な目標・努力を要求しない、分相応
・「リーダーシップ」シェアトップを目指す、「ニッチ」セグメント集中、事業範囲を絞る
・弱者の戦略(局地、接近、奇襲)、強者の戦略(遠距離、間接、持久戦)
・74%(独走)、42%(安定)、26%(境界)、19%(弱者の上)、11%(注目部分)、7%(競合と認識)、3%(何とか存在)
・弱者の戦略でも3倍以上には勝てない、強者の戦略では1.7倍以上には勝てない

総論
1章 ランチェスター思考とは何か
・勝算がなければ撤退する、25%−45%
・動機と行動は、★結果を正当化しない
・WHY(目的)/WHAT(任務)優先…自発性、臨機応変
・忍耐力の限界を認識し、★努力(限界)させ、★休ませる
2章 ランチェスター戦略の意義
・戦略と企業活動は相いれるのか(敵−顧客)、(破壊−創造)、(強制−需要)
・戦いの9原則(目標、集中、主導権、柔軟性、奇襲、指揮統一、簡明、節用、警戒←奇襲)
・任務指揮(任せる○)、詳細指揮(口出す×)
・努力の統一、任せる、信頼、相互理解、決定判断
 …×遅疑逡巡、責任転嫁、優柔不断、威圧、頑迷、先入観、打算
3章 創造的破壊論の嵐
・アマチュア論理(理想論、能力と努力、ミスはある、素人の暴論、短絡、デメリット、否定、できない理由、迅速と的確は同時×)
・アイデアの常識(形にする努力、簡単=マネ、独創的=売りにくい、ヒット=類似品、
 アイデアノウハウ技術の真似は難しい、特許が裏目に出る場合も)
・経験の効用(行動指針、リスクとギャンブルの判別、決意と頑迷の判別、困難と挫折を判別)
4章 常識の勝利
・ウォーバーグ・ピンカスの投資9原則
 徹底的調査、人物に重視、環境の確保(ゆとり)、経営権の確保、連携の支援、役員としてのフォロー、果敢な見切り、投資の分散、教訓の蓄積
5章 戦いと戦略
・経営は存亡をかけた戦い
・戦わない=障害がない、あきらめ、意思がない
・兵力が相手の7割なら負けないことはできる「坂の上の雲秋山真之
 手は上手なりとも力足りぬ時は負ける、戦術巧妙なりとも兵力少なければ勝あたわず
6章 戦略と計画
・戦略:有利に戦える条件、広範囲長期的視点、臨機応変、将来予測から今を決定する
 段階的プロセス、試行錯誤
・計画的(じっくりと分析、トップダウン)、創発的(現場からの臨機応変
・(サントリー)そこまで考え・調べ・やりたいならやってみなはれ、ダメならやめなはれ
・(松下幸之助)予算即決算
7章 戦いと管理
・管理:計画・組織(環境)・指揮(役割)・調整(調和・集中)・統制(規範)…PDCA
・計画主義の短所
 できることしかしない、目先にとらわれる、モラルハザード(ウソ)、(パワハラ)、成果を抑える(怠慢)、責任転嫁、支出だけは計画遵守(超過)
成果主義モラルハザード
 評価対象のみを手段を選ばない、高評価のみ集中、重要な低評価は×
・先勝後戦…継続して勝つ必要性
8章 現実と戦う
・OODAサイクル(観察・予想・決定・実行)の高速回転
・決められた、やれることしかやらない人間は要職に就けない
各論
9章 ランチェスター法則
・(個人)戦闘力=能力×兵力、(集団)戦闘力=能力×兵力×兵力(2乗)
・弱者の戦略、強者の戦略
10章 目標とは何か
・顧客の分類(上澄み4%、革新15%…やっかい、追随35%…平均的、40%浸透…下位層)
11章 集中とは何か
12章 市場占拠率の目標数値モデル
・戦略モデル…1/3を戦術、残りを戦略、3倍には勝てない、74%で勝ちと同等、40%で同等、26%以下は戦えない
・74%:絶対的独走
・42%:安定的強者
・26%:境界面不安定
・19%:弱者の中では強者
・11%:影響力のある範囲・注目点
・07%:存在可能限界+競合認識
・03%:存在可能限界のみ
13章 シェア原則〈規模と範囲の経済〉
14章 占拠率の有効射程距離モデル
・競争原理(ナンバーワン、中間:弱い者いじめ、ニッチ:一点集中)
 …地域でNo1、得意先のNo1、商品のNo1(軸)
15章 グー・パー・チョキ理論
・○絞り込む時期−□多角化−△整理・絞込
16章 マーケットの特定
終章 ランチェスター戦略をふりかえる
・戦略は常識
・常識を吟味なすべきこと
・意味ある数字にチャレンジ
・真似て勝つ段階的達成
・WHAT/WHYの明確化
・戦力の集中
・強弱の認識と勝てる戦い、客観的論理的
選択と集中
・シェアの獲得
・継続して勝つ
・ナンバーワンだけが絶対的に有利
・地域、顧客、商品のいずれかでNo1になる
・独創的=売りにくい
・のうはうは真似にくい、特許が裏目に出る場合もある

田岡信夫・遺稿より、田岡信夫の戦略発想・他社に勝つセールス
・×製品や価格のせいにして反省しない、愛情と知識がない、非論理的、開拓しない、すぐ値引き
・4回訪問の原則(いやだーダメダー困るー?判断?)

特別寄稿
矢野弾 ランチェスター戦略の課題―倫理を基底にすえた競争戦略の追求―
福永雅文 コンサルティングの現場から―ランチェスター戦略の教育・活用・成果―
田岡佳子 ランチェスター戦略に賭けた田岡信夫と経営者たち―

以上