プロ野球を殺すのはだれだ 豊田 泰光

プロ野球を引退し1年コーチその後40年外から見てきた野球人の憂球の書★
★面白かった!!★

プロ野球を殺すのはだれだ (ベースボール・マガジン社新書) [新書] 豊田 泰光 (著)
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4583101627/
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■著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
豊田 泰光
1935年、茨城県生まれ。53年に水戸商高から西鉄ライオンズに入り、1年目から27本塁打をマークして新人王に輝いた。56年には打率・325を記録して首位打者に。チャンスに強いバッティングが持ち味で、西鉄の3年連続日本一(56~58年)に貢献した。62年オフに国鉄へ移り、69年に現役を引退。近鉄で打撃コーチを務めた(72年)のち、野球ジャーナリズムの道に進む。06年野球殿堂入り(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
・2009年日本人選手の最高年俸は、阪神:金本で5.5億(推定)、Softbank:松中、中日:岩瀬、阪神:藤川 など4億台
 2億円以上の高額所得者は29人
 昔:作者入団時は西鉄ライオンズ:大下 336万 野球バブル
・12球団で経営黒字は巨人、阪神のみ、中日がトントン、あとは赤字
・監督独裁の指示待人間、経営者に愛情と責任感が無い

だれがこんなプロ野球にしたのか
・東京ドームの応援騒音は74歳にはこたえる
・8番打者の外角流し打ちがホームランへ、両翼100m?
・4時間ゲームの末、サヨナラヒットでファン歓喜
 ヒーローインタビューが「これからも応援よろしくお願いしま〜す」、
 「プレ−で感動を」、「感動・感情移入できる粋なセリフを」
クライマックスシリーズは「公平」を欠いた自殺行為「3位が1位に勝つ??」

西鉄問題はいまに続く“死に至る病
・1950年代の野球少年には、まず六大学〜その次にプロ野球の巨人
 早稲田野球を作り上げた飛田穂洲先生の教え
西鉄スカウトの宇高氏、元オーナーで人間の扱い方を熟知、選手の関係者をファンにしてしまう
・昔の名スカウトはアフターケアも十分に行う、出場、引退・解雇後のケアの方が大変(最後まで徹底)
プロ野球球団は独立採算の意識が薄い
・地域密着の日ハムでも本社から年間十数億の援助
・59年までの三原監督が西鉄の歯止め、その後はケジメが無くなる、賭けごと、博打
・負け試合後に素振り、帰ると監督とコーチはマージャン「貧すれば鈍す」とはまさしくこのこと
・62年の青年内閣、「中西監督、豊田助監督、稲尾コーチ」、3人とも20代
・62年チームを出て国鉄へ「すべては豊田が悪かったの大合唱」…「人間とは弱いものだなあ」
・72年に太平洋に西鉄身売り、盟友:稲尾和久が最後の監督「黒い霧事件
 神様、仏様、稲尾様:球界の宝
・自由に使える自前のスタジアムを持ち地方自治体と友好な関係を保つことの重要性:地域密着とはいい掌は返される
阪神と西武だけが自前の球場、新広島市民球場(MAZDA ZOOM-ZOOMスタジアムも厳密には自由ではない)

プロ野球の歴史を知らないツケ
金田正一 元ロッテ監督球界史上最多の400勝左腕投手
・巨人内海の祖父の内海五十雄(1938年、巨人の花の昭和13年組)
・歴史の断絶がある、4代目には「今」と「自分」しかない
1:★沢村、若林、藤村、★川上、★千葉
2:昭和30年 ★中西、山内、吉田、藤田、★野村、★長嶋、杉浦、★稲尾、★豊田(著者)
  革命:★金田、★王、★張本、村山、★森(元 西武監督)
3:昭和40年 鈴木、★堀内、平松、★江夏、山田、★村田兆治、★山本浩、田淵、★衣笠、門田、若松、有藤
4:以降
・名監督は2台目まで?
・正力:巨人と小林阪急「よき社会人を作る」、阪神、、、社会人として必要なことを教える新人研修は非常に大切
・孫の世代が選手になる、西本、黒田博樹(ドジャース)、西本(松山、ゴゴ島)…稲尾西本も船の櫓をこげる
・外から大笑いしてくれる人の必要性とその教訓

巨人という“怪物”の不快な迷走
・巨人の歴史は強奪の歴史:長嶋、王、江川、FA・逆指名
・1/3の負け試合をどう感じるか「いい試合、ファインプレー」
・負けてもファンは納得するO/N時代
・V9達成するような川上監督、常人と考えていることが違う、中身スケールも多面的で一筋縄ではいかない
・堀内前巨人監督は、お見舞いに行って2時間説教された
・5番を外の力から入れることでマンネリ化を防いでいた
・今の巨人にはチームの意図、意思がないのではという疑問
・巨人渡辺会長の失言「03年読売内の人事異動:原監督」、「たかが選手:発言」
・王 元監督「ジャイアンツ栄光の70年」にて「巨人とは誰にも動かせないまさに【巨人】、野球という枠を超えている」

『親方日の丸』を蹴っ飛ばせ!
・ドラフト1.5億、契約金5億、もらいすぎ(三井物産の生涯所得)、、、野球界のバランス
・公正な試合確保に反するフジテレビ株問題:ナベツネ氏の正論
新広島市民球場:天然芝、屋根なし(打球は弾む、騒音からの解放?)
・広島は珍しい独立採算球団、、、FAで金本、新井(阪神)へ:キビシイ
・両リーグ統一にともない、ボールとストライクゾーンの統一をぜひ

プロが消滅しても高校野球は不滅です
早実と三高(赤坂中)の対戦は東京の高校球界の伝統:王、宮井
・日本学生野球憲章、アマチュア問答集
・プロOBが高校生を指導できない不思議
・「バントはバットのどこでしてもいい」、「頭を柔軟に何が起こるか???」、「相手の胸めがけて〜相手の身になって」
水戸商、ショートの豊田、選手宣誓が強烈な思い出

ドーム球場と応援騒音の害毒
・故・下田武三氏 応援倫理三則
 他人に強制しない/カネや太鼓を鳴らさない/他人を覆うような旗のぼりを振らない

名捕手が消えれば名監督も消える
・受ける人、用意周到に肉体をガードしても怪我が絶えないわりに合わない商売「捕手の醍醐味」
・捕手作りは選手育成で最も手間暇かかる「野村、森、古田、城島、阿部?、名将J・トーリ」
 イイ捕手〜イイ野球〜イイ指導者〜のサイクル
・名将J・トーリ:21歳で、ハンクアーロン、300勝左腕のウォーレン:ブレーブス その中で10年正捕手
・覇者の条件:公平、敬意、信頼、常に冷静であれ
・スーパースターのユーモア
 ギブソン「今度は逃げろ:1塁強襲エラー後」
 長嶋「ホリ明日は休みだろう、ちゃんと投げろよ」
・中隊長型名監督:川上、西本(独裁者)、、、川上は牧野参謀、荒川コーチ
・森監督(西武)は徹底している、知的な準備の必要性
・水野「カンとは経験の集積」

メジャーを恐れよ。しかし、戦え!
・6000億円、7861万人動員、ヤンキース、メッツは400万人動員、日本は年間300〜150万人
・日本で2桁勝利を2,3年その後、ポスティングで移籍金を

この人を見よ!
プロ野球は戦後と寝てしまった、甘やかされて自立心を失い常に繁栄状態の錯覚
・三原監督の説明不可能な勝負カン「Hスチール」
・あるレベルに達すると助け船を出さずに自分で考えさせる
・ノーサイン、考えさせるサイン、昔の人の風流
・川上監督おとくいの新人だまし
西鉄は稲尾のチーム:ボールを半個単位で球種含め出し入れできる投手:元同僚が便箋1冊分の手紙を書いてしまう男

スーパースターはなぜ消えたのか
・情報量が今の100分の1、近すぎる
・王が打順3番に怒る:スーパースター=唯我独尊、===勝負の世界
・清原がスーパースターになれる条件がチームの内と外にかけていた(カンロクの先輩?逃げる投手)

アジア・リーグこそ生き残る途
・韓国は観客の減少、台湾は八百長・・・アジアレベルでのリーグ
・日本のち密な野球を輸出する

週刊ベースボール「おれが許さん!」、日経「チェンジアップ」10年以上連載
 客観的とは、★憂球の書★

以上