自分の中に毒を持て/岡本 太郎 (著)

■自分の中に毒を持て (青春文庫) [Kindle版]
 岡本 太郎 (著)
 http://www.amazon.co.jp/dp/toc/4413090101/ref=dp_toc?_encoding=UTF8&n=465392

■商品の説明
メディア掲載レビューほか
自分の中に毒を持て あなたは“常識人間”を捨てられるか
著者が1993年に出した文庫本の新装版。亡くなる3年前に書き残した。
 今を生きる人々を叱咤激励している。自分の人生を振り返って、この世に生まれ出た瞬間から(覚えているわけではないだろうが)、小学校時代、パリ留学時代、今日に至るまでを「決められた枠にはまらずに、自分の思いを爆発させ続けてきた連続だ」と言う。

 著者の主張は明快だ。「集団に馴染むために個性を殺すな。1人ひとりが本気で考え、自分の思いを爆発させなければ、世界はつまらなくなる」。

 何かを生み出すためには、自分を追い込むことが必要だ、という言葉は芸術家として生き抜いた著者の叫びだ。

 数々の前衛的な芸術作品に込められた熱く厳しいメッセージが伝わってきて、勇気づけられる。

(日経ビジネス 2002/02/11 Copyrightc2001 日経BP企画..All rights reserved.)

内容紹介
「楽しくて楽しくてしようがない自分のとらえ方」「本当の相手をつかむ愛しかた愛されかた」など、“常識人間”をすて、いつも興奮と喜びに満ちた自分でいるための生き方を説いた一冊。「芸術は爆発だ!」という名言どおり、超個性派人間として精力的に活動された著者ならではの、力強い人生論です。

■目次
・人生は積み減らし、蓄えるほど人間は自在さを失う
1 意外な発想を持たないとあなたの価値は出ない―楽しくて楽しくてしょうがない自分のとらえ方
・自分の敵は自分自身、環境に甘えて自分をごまかす
・運命に対して怠惰的であることに安心している
・煮え切らない惰性的な生き方に憤りを感じる
・あえて危険な道を取る
・日本という国ではオリジナリティを持つことが許されない、周りから足を引っ張られる
・ただマメに働いて質より量で自分の価値づけをしようというところがある
・夢に年齢は関係ない、10代でも年寄りがいるし80でもハツラツとした若者もいる
・挑戦したうえでの不成功者と挑戦を避けた不成功者とでは天地の隔たりがある
・新人類などと呼ばれてファッショナブルに軽く生きているような若者だが意外なほどにゾッとウツロな顔を見せることがある
・天才は憂鬱と昂揚が周期的に激しく襲ってくるとか、大抵背が低く、猪首
・3日坊主は、さまざまなバリエーションで自分の運命を試す「計画」である
・そもそも自分を他と比べるから自信が問題になる、他と比較して自分を決めるなどという卑しいことはしない
・人間は自分をきつい条件の中に追い込んだ時、初めて意思の強弱が出てくる
・学校のいじめ問題が大きく取り上げられている。陰湿化してじわっと広がり耐えかねて自殺してしまう子、
 心の傷から逃げられずゆがんだ人生をたどる子・悲惨だ
・自分と他人をやさしい気持ちで見つめることによって自分自身がすくわれるかもしれない
・センシーブルな人間なら何かのはずみで押し寄せてきた人気が、自身とは関係ない、虚構に渦巻いていることに気付く、虚しい
 だが、彼自身どうにもならないメカニズムで、それは膨れ上がり彼自身を転がしていく
・本当に生きるということは、いつも自分は未熟なんだという前提のもとに平気で生きること
・うまいやつに限って、どこかにコンプレックスをもっているものでむしろ下手なことを自認すると気楽になる
・一見豊かなのにうつ病の人が増えているのは、世の中の誰もが行き詰っている
 人の精神は広がる時と、とじこもる時が必ずある
ゴッホは、ピストルを胸に打ち込んで1日生き続け、タバコをくれと言って紫煙をくゆらせ芸術の世界を見ていた
・生きるということに真剣に考えれば人間は内向的にならざるを得ない
・矛盾をむしろ面白いと考えズレを平気で突き出せばいい
・中途半端はダメだ、途中でちょっと自分を大事にしたり甘えたらぶち壊し、徹底的に貫くとスッと嫌悪感が抜けてしまう

2 個性は出し方薬になるか毒になるか―他人と同じに生きてると自己嫌悪に陥るだけ
・家では息子であるぼくを人間同士としてまったく対等に扱った。面倒を見ないかわり親を押し付けることもなかった。
 そんな中純粋に自由に育った僕は小学校で絶望的に社会の壁にぶつかった。
・先生は大人で体制の側にいる。だから子供に対してはマトモに、人間同士として純粋に向かい合おうとしない
 そして油断している。平気でごまかす。子供たちはそれを見抜いているがちゃっかり合わせてやっている
・10歳前後で成人式を行い、ちゃんとした社会人として扱うべきであると思っている
・社会対個という問題は避けて通ることができない。大きな、重い、人間の宿命
・たいていの学生は大学に入った途端、てきめんに勉強しなくなる。人生をエスカレーションしていく。
・遊びを否定しない。無目的の無償の行為は素晴らしい。子供が大人がハラハラするような遊びを嬉々として楽しむ
・うまくやろうとしてもやれない、利口ぶらない

3 相手の中から引き出す自分それが愛―本当の相手をつかむ愛しかた愛されかた
・恋の始まりは瞬間でも付き合いが長引くかどうかは美醜よりも人間味にかかわる問題
・フランス女性は好きな相手には「好きよ」と態度をはっきり示す。「冗談よ」「人間としては好きだけど恋愛ではない」など
・あらゆる機会に女性に声をかけ気楽に愛の告白を試みた:スポーツ的スリル
・恋の熱病が覚めたとき、あなたはすれた大人になってしまったのね:初恋は一つの卒業
・無条件で純粋な恋愛は、その後日本では経験できなかった。フランス:パリのモンパルナス近辺では、芸術家が多く自由な雰囲気だった。
・結婚は恋愛の墓場
・親子関係というより人間体人間の関係、一人の人間として本気で僕の挑戦にこたえてくれた両親がやはり偉かった気がする

4 あなたは常識人間を捨てられるか―いつも興奮と喜びに満ちた自分になる
・人間のほんとうに燃えている生命がものとして対象になってい目の前にあらわれてくれれば、ほほえましく、心地よく、いい感じではない
 むしろ嫌な感じ、いやったらしく、グンと迫ってくるし、そうでなくてはならない「醜悪美」
・鳥毛立女屏風、吉祥天女
 http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2014toku/shosoin/2014shosoin_index.html
 http://www.nara-yakushiji.com/guide/hotoke/hotoke_etc.html
・本当に生きようとする人間にとって人生は誠に苦悩にみちている
・矛盾に体当たりし瞬間傷つき、血を吹きだしながら雄々しく生きる。生命のチャンピオンにしてイケニエ、真の芸術家
・西欧諸国は初めからへりくだってバカに謙虚だ、自分よりも経済的に低い遅れていると思うと途端に傍若無人になる
 しかも自然に、無邪気にそうなるので始末が悪い、その卑しさに気付いていない
・てづくりの良さとはむしろ下手で、不器用で、素人の手作りの方がいいと思う。その方が人間的に身近に感じる(冷たくない、自分の内側にある感)
・職業に閉じ込められると、「人間」=「芸術」が抜けてしまう。現代の不幸なポイント

以上