親と私(3) より

■久々に、このあたりで感動した

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うつ病パニック障害東洋医学で治す! 第176号
タイトル: 親と私(3) より引用

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…省略…

そのころの無理がたたって父は私がまだ4,5歳ぐらいに多界してしまったために、
私はほとんど父のことを知りません。知っているのは母と長兄が朝のまだ暗いうち
から夜暗くなるまで、田んぼをし畑をし町工場で働く姿でした。 田んぼと畑があ
るので食べるものには困らないけれども学校の教科書や洋服を買うお金にも困窮す
るような貧しい生活でした。
でもそういう中で私が憶えているのは、貧しくつらい体験ではなく、お正月の門
松を母親と手作りしたり、おもちつきを手伝ったり、3月にはおひなさまを飾り、5
月にはかしわもちを作る、夏には七夕を飾り、秋にはお月見だんごでお月見をした
り、稲刈りを手伝ったり田んぼで遊んだり・・季節ごとに母親や兄弟姉妹が一緒に
何かをする・そんな楽しい思い出のほうが多い・貧乏で大変だけど、そんな中にも
楽しめることはいっぱいある・そういうことを私は母親から自然に学びました。
すでに母親も多界して20年ほどになります。父母が空襲で疎開するまで住んでい
た同じ場所に、いま私が住んでいるという因縁という目には見えない何かの力の中
で私たちは生きているんだとも感じています。

岐阜に住んでいたとき、家には犬も猫もにわとりも牛もヤギもいました。
それら動物の世話係を、当時小学6年生ぐらいの私がしていました。当時は動物の
避妊手術などはなかったので猫などは子供をけっこう産んでいて、そのときの猫の
親子を見ていて、当時子供だった私でさえ 家族ってこういう形なんだと、とても
感動したことを今でもよく憶えています。
猫の子育ては母猫一人でするようで父猫の姿はまったく見ませんでした。
3匹の子猫は、けんかしたり親猫のしっぽで遊んだり寝ている親猫の体の上を滑
って遊んだりして本当に見ていて可愛いものでした。
親猫は出産から全くエサを食べていないので横になっていることが多かったので
すが、周囲で子猫が何をしててもほとんどほったらかしでした。でも興味津々で遠
くに行こうとする子猫がいると、さっと起き上がって首をつかまえて戻ってきます。
エサは子猫を優先させているのか母猫はほとんど食べませんでした。母猫にエサ
を与えても子猫が飛びついて食べてしまうのを見ているだけでした。
その後何日かして、ふと家のものかげで猫の親子が何かしていました。遠くで見
ていると、エサの取り方を子供に教えているようでした。ものかげに身を潜めて草
むらの昆虫をつかまえるトレーニングをしていました。親がまず見本をしてみせて、
じゃあ次お前やってみろ・みたいに1匹ずつチャレンジしていて見ていてとても可
愛かったです。
その後しばらくして親子が離れるのを見ました。子猫が戻ってこようとするのを
母猫が強く威嚇して追い払うのです。 子猫は母猫のほうを何度も何度も振り返り
ながら去っていきました。

私は今でも・親子ってああいうのがいいんだと思っています。私たちも猫とほと
んど違わない動物なのに、いつのまにか彼らと私たちは違う意識になっています。
もうこれ以上な便利さも豊かさも要らない・知識も要らない・猫や花から学ばなけ
ればならない・みんなで考え変えていきましょう。

発行日 :2010年 3月 28日(日)
発行元 : はり ボディワーク 東洋医学療法  イエラ鍼灸治療室
東京都杉並区阿佐谷北1-9-2
電話 :03−3338−6711